【財務】企業会計原則の一般原則等
「企業会計原則」の「第一 一般原則」は、
企業会計の全般に共通する、守るべき基本となる原則を取り上げたもの。
①真実性の原則
②正規の簿記の原則
③資本取引損益取引区分の原則
④明瞭性の原則
⑤継続性の原則
⑥保守主義の原則
⑦単一性の原則
このほか、一般原則ではないが、それに準ずるものとして
重要性の原則
がある。
財務諸表は、一般的に多数の人が利用し、
企業と利害関係者は潜在的・顕在的利害対立関係にあるから…
利害関係者にとっては
「虚偽情報を公表しないでほしいなあー。」
「正しく判断できる等に表示して!」
「将来の危険に備えて、存続を確保してほしい」
①真実性の原則、②正規の簿記の原則、
④明瞭性の原則、⑤継続性の原則
⑥保守主義の原則、⑦単一性の原則がある!
特に株主、債権者にとっては
株主「効率性を判断したいから元本(払込資本)と果実(留保利益)分けて!」
債権者「資本金等から配当しないで!」
③資本取引損益取引区分の原則かある!
大まかにいうと、
企業がやってしまいたい抜け道を通ることを防止して、
利害関係者が、財務諸表を安心して利用できるようにしてるんですね~(・´з`・)
利害関係者の立場に立って、どういう財務諸表を作成してほしいのか、を考えたらこの七つの原則と重要性の原則は、思い出せるかしら。
一般原則の詳細は【財務】単語帳①で👍
今日は一時間オーバーなのでここでおしまい
【財務】収益費用アプローチと資産負債アプローチ
本日のテーマは、「収益費用アプローチと資産負債アプローチ」ですが、
これら二つは利益計算のモデルであり、
従来、日本の「企業会計原則」等の会計基準は、収益費用アプローチ
に基づいていたが
↓ 国際的には資産負債アプローチが主流となったことから
近年公表される日本の会計基準も資産負債アプローチに基づく処理を取り入れている。
また、2つのモデルはどちらも、基本的には
損益計算書と貸借対照表は連携している
(非連携と指摘されることもある)
と考えられる。
では、そもそもこの2つのモデルは、どういうものなのか。
収益費用アプローチ
収益 (一会計期間における企業の活動成果):実現主義に基づいて認識
-費用 (収益を得るための犠牲分) :発生主義に基づいて認識
利益
このアプローチは文字通り、収益と費用の差額が利益だ、という考え方。
この利益というのが純利益。
ここで、
純利益について
その目的は、適正な期間損益を計算することにある。
なぜなら、
収益は実現主義
(企業外部の第三者に、財貨又は役務を提供し、その対価としての現金又は現金等価物を受領した時点で認識)
費用は発生主義
(経済的価値減少の事実に応じて認識。例えば「材料」という経済的価値が、「消費」によって減少する)
により認識しているから、
現実に現金又は現金等価物が企業に流入しており、
確定性の高い利益情報と言えるから。
このように、収益費用アプローチは、収益費用の概念、その認識・測定基準が
会計の中心的課題となる。
資産負債アプローチ
資産
-負債
純資産
↓
期首純資産
- 期末純資産
当期増減額
-資本等取引による増減額
利益
このように純資産の正味の増減額が利益だ、とする考え方。
この利益は包括利益と呼ばれる。
ここで、
包括利益について
その目的は、適時性の高い利益情報を計算することにある。
これによると資産負債は、それぞれの特性に応じた測定がなされており、
例えば、市場性のあるその他有価証券は、その変動差額を、売却するか否かに関わらず期間利益に算入する。しかしこの利益は、その後変動する可能性がある。必ずではない。それでも最新の情報として、利益を算出する。
このように、包括利益は
不確実性も含めた利益情報といえる。
よって、資産負債アプローチは、資産負債の概念、その認識・測定基準が
会計の中心課題となる。
【監査】企業内容開示制度と財務諸表監査制度の必要性
最近、ワイドショーで、
母親に向けて、ゲームを買ってもらうためにPowerPointを使ってプレゼンテーションしている男の子が紹介されていました。
その内容は、なぜ必要か、得られる効果、とかそんな感じだったでしょうか。
私が母親なら、ぐぬぬ… 買わざるを得ないでしょう
おそらく、ゲームを含め、金銭等を与える側は、なんでほしいの?何に使うの?と聞くでしょう。
それを先回りして、男の子は、
母親はどんなことを知りたがるか、どんなことを伝えれば買ってもらえるのかを考えたのでしょうか… 賢いなあ。
企業内容開示制度(ディスクロージャー)の必要性
自己の資金の最大化を図りたい投資家は、
合理的な経済的意思決定を行うために必要十分な情報がほしい。
情報がなければ企業との取引を躊躇してしまう(怖くて投資できない!)
↑
↓
企業も資金調達を行いたい!
企業内容開示制度の必要性はこの二者間の
円滑な取引関係を構築・維持すること
にある。
会計基準の必要性
企業内容開示制度のもとで、企業は財務諸表を作成するわけですが、
①財務諸表の作成基準として
経営者の主観的な判断が少なからず介在する財務諸表の作成を、それぞれの経営者の判断に委ねてしまうと、恣意的な財務諸表となってしまう。
②財務諸表の適否判断基準として
監査人(公認会計士)の判断の客観性・統一性を担保するためにも、適正性の判断基準として必要である。
監査人「これ、ちょっとおかしい会計処理じゃないですか。」
経理担当者「えー。別の監査人さんは良いって言ってた!」
てなる。
財務諸表監査制度の必要性
ゲームがほしい男の子も、そのために必要な情報は、できる限り悪い事には触れないようにするでしょう。
もし虚偽情報を伝えて、それを母親が信じてしまったら、
ガーンΣ( ̄ロ ̄lll)
となる。そしてその後、情報を信頼できなくなってしまう。プレゼンしたって無駄よ!と言われてしまう。
そこに監査人が表れて、
監査人「その子の言ってる事は、ほんとですよ!」
て言ってくれたら
男の子「そう言ってくれて助かる!(信じてもらえる!)」
母親「そう言ってくれて助かる!(信じられる!)」
そこで
財務諸表監査制度の必要性は…
意思決定情報としての利用可能性を確保するため、
財務諸表に社会的信頼性を付与する。
詳しくは
企業と株主、債権者、得意先などの利害関係者は
①潜在的・顕在的利害対立関係
があり
その中で企業情報である財務諸表は
②相対的性格
③影響の重大性
を有するため、利害関係者は財務諸表に対して慎重になり、疑念を抱く。
本当かどうか、信頼性を確かめたい。
しかし自分自身では
④制度的・地理的隔離性
⑤財務諸表作成過程の複雑性
により、確かめることはできない。
そこで
・必要十分な専門能力を有し
・独立の立場にある
監査人による監査をし、社会的信頼性を付与する。
監査基準の必要性
まず、監査の意味は
「会社の業務そのものや成果物が、法令等の一般に公正妥当と認められた遵守すべきルールや規範に準拠したものとなっているかどうかについて、業務の行為者や作成者とは異なる立場にある第三者が、自ら入手した証拠に基づいて判断した結果を意見として表明する業務」(会計・監査プロフェッショナル用語辞典/日経BP社)
とありますが、その意見として表明する業務を
監査人の主観的な判断に委ねてしまうと
①監査自体の社会的信頼を確保できない
監査人「お墨付き!信頼できます」
利害関係者「…この監査人の言う事…怪しい☹」
②監査人の責任の限界が明らかにされない
利害関係者「監査って何ぞや。でもまあ監査人の言うことは絶対絶対絶対確かで、監査人がいいって言うから、財務諸表は絶対絶対パーフェクトなのですね!」
監査人「困った困った☹」
そのため
利害関係者にも、監査人にも、企業(被監査会社)にも、分かる形で、ルールを明確にする必要があるのですね!
そこで
監査基準の必要性は
①監査水準を一定以上に統一・維持し、監査の社会的信頼性を確保
②監査人の責任範囲を明確化
することにある。
最後に、
ワイドショーに登場した男の子でしたが、とっても賢そうで、真面目そうで、
頭脳派ゲームを欲していました。
彼のプレゼンは全くもって虚偽情報ではありませんし、母親との関係もすばらしいものです!
あ”----!もうこんな時間。
こんなに時間がかかっては、論文式試験落ちますね!
1時間以内に、かつ分かりやすく…
…zℤZ
【財務】帰納的アプローチと演繹的アプローチ
会計基準を設定するアプローチ
には
帰納的アプローチと演繹的アプローチの二つがある。
私は実家暮らしで、6人家族です。
私を含めズボラが数人いるので、玄関は「あれ?今日お客さんがたくさん来てるの?」というくらい靴が敷き詰められて脱いであります。
定期的にお掃除するのだけども、ズボラなもので、また元に戻る。
出しっぱなしの靴を見てみると、祖母1、父1、母2、姉2、私4、妹2…
…まあ、みんな大体2足だよね!じゃあ皆2足までにしよう。
無理に決めてもどうせ守れないしね(・´з`・)
2足までのルールだったら皆守れるもんね!
でも、みんな2足出してたら、結構雑然として汚いよね…悪い癖直らないよね。家キレイにしてても玄関すごいよ
これが
帰納的アプローチ
意義:まず最初に、実際に行われている会計処理の諸方法を観察し、その中から一層一般的又は共通的なものを抽出することによって、会計基準を設定する方法
これを用いて設定された会計基準は
利点:遵守されやすい
問題点:会計実務に問題点があってもそれを改善するような会計基準は形成されにくく、基準全体の整合性や首尾一貫性が確保される保証がない
でも本来、きちんと靴箱にしまうことが、靴にとっても玄関にとってもいいことだよね
そうしたいのはやまやまだけど、宅配便が届いたときに、楽にすぐに出たいし…
じゃあ皆靴は靴箱にしまおう。そしてすぐ出られるようにサンダルを一足出しておこう。
これで玄関が整然とするね!
これが
演繹的アプローチ
意義:会計の前提となる仮定や、会計の目的を最初に規定し、これらの仮定や目的と最もうまく首尾一貫するように具体的な会計処理のルールを導き出してくる方法
以下私の勝手な想像ですが、
利点:様々な事業の企業が、比較的公平に取引を測定・認識できるのでは?!
靴箱にしまうことは、おそらくどの家庭にとっても、あるべき姿だから。
つまり、
現実から考える帰納的アプローチ
理想から考える演繹的アプローチ
て感じでしょうか。