【財務】収益費用アプローチと資産負債アプローチ
本日のテーマは、「収益費用アプローチと資産負債アプローチ」ですが、
これら二つは利益計算のモデルであり、
従来、日本の「企業会計原則」等の会計基準は、収益費用アプローチ
に基づいていたが
↓ 国際的には資産負債アプローチが主流となったことから
近年公表される日本の会計基準も資産負債アプローチに基づく処理を取り入れている。
また、2つのモデルはどちらも、基本的には
損益計算書と貸借対照表は連携している
(非連携と指摘されることもある)
と考えられる。
では、そもそもこの2つのモデルは、どういうものなのか。
収益費用アプローチ
収益 (一会計期間における企業の活動成果):実現主義に基づいて認識
-費用 (収益を得るための犠牲分) :発生主義に基づいて認識
利益
このアプローチは文字通り、収益と費用の差額が利益だ、という考え方。
この利益というのが純利益。
ここで、
純利益について
その目的は、適正な期間損益を計算することにある。
なぜなら、
収益は実現主義
(企業外部の第三者に、財貨又は役務を提供し、その対価としての現金又は現金等価物を受領した時点で認識)
費用は発生主義
(経済的価値減少の事実に応じて認識。例えば「材料」という経済的価値が、「消費」によって減少する)
により認識しているから、
現実に現金又は現金等価物が企業に流入しており、
確定性の高い利益情報と言えるから。
このように、収益費用アプローチは、収益費用の概念、その認識・測定基準が
会計の中心的課題となる。
資産負債アプローチ
資産
-負債
純資産
↓
期首純資産
- 期末純資産
当期増減額
-資本等取引による増減額
利益
このように純資産の正味の増減額が利益だ、とする考え方。
この利益は包括利益と呼ばれる。
ここで、
包括利益について
その目的は、適時性の高い利益情報を計算することにある。
これによると資産負債は、それぞれの特性に応じた測定がなされており、
例えば、市場性のあるその他有価証券は、その変動差額を、売却するか否かに関わらず期間利益に算入する。しかしこの利益は、その後変動する可能性がある。必ずではない。それでも最新の情報として、利益を算出する。
このように、包括利益は
不確実性も含めた利益情報といえる。
よって、資産負債アプローチは、資産負債の概念、その認識・測定基準が
会計の中心課題となる。