【監査】企業内容開示制度と財務諸表監査制度の必要性
最近、ワイドショーで、
母親に向けて、ゲームを買ってもらうためにPowerPointを使ってプレゼンテーションしている男の子が紹介されていました。
その内容は、なぜ必要か、得られる効果、とかそんな感じだったでしょうか。
私が母親なら、ぐぬぬ… 買わざるを得ないでしょう
おそらく、ゲームを含め、金銭等を与える側は、なんでほしいの?何に使うの?と聞くでしょう。
それを先回りして、男の子は、
母親はどんなことを知りたがるか、どんなことを伝えれば買ってもらえるのかを考えたのでしょうか… 賢いなあ。
企業内容開示制度(ディスクロージャー)の必要性
自己の資金の最大化を図りたい投資家は、
合理的な経済的意思決定を行うために必要十分な情報がほしい。
情報がなければ企業との取引を躊躇してしまう(怖くて投資できない!)
↑
↓
企業も資金調達を行いたい!
企業内容開示制度の必要性はこの二者間の
円滑な取引関係を構築・維持すること
にある。
会計基準の必要性
企業内容開示制度のもとで、企業は財務諸表を作成するわけですが、
①財務諸表の作成基準として
経営者の主観的な判断が少なからず介在する財務諸表の作成を、それぞれの経営者の判断に委ねてしまうと、恣意的な財務諸表となってしまう。
②財務諸表の適否判断基準として
監査人(公認会計士)の判断の客観性・統一性を担保するためにも、適正性の判断基準として必要である。
監査人「これ、ちょっとおかしい会計処理じゃないですか。」
経理担当者「えー。別の監査人さんは良いって言ってた!」
てなる。
財務諸表監査制度の必要性
ゲームがほしい男の子も、そのために必要な情報は、できる限り悪い事には触れないようにするでしょう。
もし虚偽情報を伝えて、それを母親が信じてしまったら、
ガーンΣ( ̄ロ ̄lll)
となる。そしてその後、情報を信頼できなくなってしまう。プレゼンしたって無駄よ!と言われてしまう。
そこに監査人が表れて、
監査人「その子の言ってる事は、ほんとですよ!」
て言ってくれたら
男の子「そう言ってくれて助かる!(信じてもらえる!)」
母親「そう言ってくれて助かる!(信じられる!)」
そこで
財務諸表監査制度の必要性は…
意思決定情報としての利用可能性を確保するため、
財務諸表に社会的信頼性を付与する。
詳しくは
企業と株主、債権者、得意先などの利害関係者は
①潜在的・顕在的利害対立関係
があり
その中で企業情報である財務諸表は
②相対的性格
③影響の重大性
を有するため、利害関係者は財務諸表に対して慎重になり、疑念を抱く。
本当かどうか、信頼性を確かめたい。
しかし自分自身では
④制度的・地理的隔離性
⑤財務諸表作成過程の複雑性
により、確かめることはできない。
そこで
・必要十分な専門能力を有し
・独立の立場にある
監査人による監査をし、社会的信頼性を付与する。
監査基準の必要性
まず、監査の意味は
「会社の業務そのものや成果物が、法令等の一般に公正妥当と認められた遵守すべきルールや規範に準拠したものとなっているかどうかについて、業務の行為者や作成者とは異なる立場にある第三者が、自ら入手した証拠に基づいて判断した結果を意見として表明する業務」(会計・監査プロフェッショナル用語辞典/日経BP社)
とありますが、その意見として表明する業務を
監査人の主観的な判断に委ねてしまうと
①監査自体の社会的信頼を確保できない
監査人「お墨付き!信頼できます」
利害関係者「…この監査人の言う事…怪しい☹」
②監査人の責任の限界が明らかにされない
利害関係者「監査って何ぞや。でもまあ監査人の言うことは絶対絶対絶対確かで、監査人がいいって言うから、財務諸表は絶対絶対パーフェクトなのですね!」
監査人「困った困った☹」
そのため
利害関係者にも、監査人にも、企業(被監査会社)にも、分かる形で、ルールを明確にする必要があるのですね!
そこで
監査基準の必要性は
①監査水準を一定以上に統一・維持し、監査の社会的信頼性を確保
②監査人の責任範囲を明確化
することにある。
最後に、
ワイドショーに登場した男の子でしたが、とっても賢そうで、真面目そうで、
頭脳派ゲームを欲していました。
彼のプレゼンは全くもって虚偽情報ではありませんし、母親との関係もすばらしいものです!
あ”----!もうこんな時間。
こんなに時間がかかっては、論文式試験落ちますね!
1時間以内に、かつ分かりやすく…
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